注文住宅とは?建売住宅との違いとメリット・デメリットを解説

公開日:2025/11/26
メリットデメリット

注文住宅は、暮らしやすい住宅を叶えやすいことから、根強い人気を持っています。そして注文住宅を購入する第一歩は、注文住宅の仕組みや価格相場、家づくりの流れを理解することです。本記事では、注文住宅について深掘りして紹介するとともに、メリット・デメリットも解説します。

注文住宅の種類

注文住宅には、施主の要望に合わせて住まいをつくり上げられる魅力がある一方で、仕組みや契約内容を理解しておくことが重要とされます。まず、注文住宅は大きく3つのタイプに分類され、それぞれに特徴と自由度の違いがあります。

フルオーダー住宅

最も自由度が高いのが「フルオーダー住宅」です。これは、設計から設備仕様まで細かく指定できる点が特長です。建築家や設計事務所に依頼してつくる建築家住宅もこの形式に含まれ、理想のデザインを追求したい人に適しています。ただし、自由度が高い分、費用や打ち合わせの時間が多くかかる傾向があります。

セミオーダー住宅

次に「セミオーダー住宅」は、ハウスメーカーの用意した基本プランをベースに、間取りや設備などを施主の希望に合わせて調整できるタイプです。フルオーダーよりもコストを抑えやすく、標準仕様が整っているため品質面でも安心しやすい点がメリットとされます。完全な自由設計までは求めず、一定のこだわりを反映させたい人に選ばれやすいです。

規格住宅

さらに、コスト重視の選択肢として「規格住宅」があります。あらかじめ決まったプランの中から選択して建てる方式で、選択の幅は限られるものの、建売住宅よりは仕様面で自由度があります。設計工程が短縮されるため、価格を抑えつつ注文住宅のメリットを取り入れたい人に最適です。

建築工事請負契約について

また、注文住宅を建てる際には「建築工事請負契約」を締結する必要があります。この契約は、依頼者とハウスメーカー・工務店などの請負者との間で交わされ、工事内容や工期、費用などを明確に定めるものです。契約内容は設計図書に基づいて詳細に規定されるため、着工前にその内容を十分に確認することが不可欠です。契約後に変更が生じる場合は、追加費用が発生することも多いため、事前の検討と打ち合わせが非常に重要といえます。

建売・分譲住宅との違い

注文住宅と建売住宅・分譲住宅には、それぞれに異なる特徴があります。特に設計の自由度、価格、完成までの期間といった点で大きな違いが見られます。

設計・間取りの自由度

まず、設計や間取りに関しては、注文住宅が最も自由度が高いです。注文住宅では、家族構成やライフスタイル、将来的な生活の変化まで見据えて間取りを設計できるため、リビングの広さ、収納の配置、部屋数などを細かく調整できます。さらに、外観面でも外壁材や屋根材、窓の形状といったデザインの選択肢が豊富で、施主の個性を反映した住まいづくりが可能です。

一方、建売住宅や分譲住宅はすでに完成している、または完成間近の状態で販売されるのが一般的です。そのため、間取りの変更は基本的にできません。ただし、建売住宅は多くの人が住みやすいと感じるよう、標準的で無難な間取りが採用されていることが多く、特別なこだわりがなければ十分に快適な暮らしが実現できる点が強みです。また、設備や仕様がある程度統一されているため、完成した住まいのイメージが掴みやすいという利点もあります。

価格

次に、価格面における差についてです。建売住宅は大量仕入れによるコスト削減や標準仕様での建築が行われるため、一般的に注文住宅よりも価格が抑えられる傾向にあります。建物価格の目安としては、建売住宅が2,000万円〜3,500万円程度であるのに対し、注文住宅は選択肢によって大きく幅が異なります。

規格住宅タイプの注文住宅であれば2,500万円〜4,000万円程度、フルオーダーの注文住宅では3,500万円以上が一般的な価格帯です。特に注文住宅の場合は、断熱材や住宅設備のグレードを上げるほど価格が上昇するため、選ぶ仕様によって総額が大きく変わる点が特徴です。

完成までの期間

さらに、完成までの期間にも違いがあります。建売住宅は既に建築済み、もしくは完成目前で販売されるため、契約から入居までの期間が非常に短く、1〜3ヶ月で入居できるケースが一般的です。これに対し、注文住宅の場合は土地探しから始めるケースが多く、土地選定に3〜6ヶ月、設計や建築確認申請に3〜4ヶ月、建築工事に4〜6ヶ月と、全体で10〜16ヶ月程度を要するのが通常です。理想の住まいを実現できる一方で、入居まで時間が必要となる点が注文住宅の特徴といえます。

注文住宅の費用内訳

注文住宅の費用構造は、建物本体工事費、付帯工事費、諸費用、さらに土地代といった複数の要素によって成り立っています。それぞれの割合や相場を把握しておくことで、家づくり全体の資金計画を立てやすくなります。

建物本体工事費

まず、注文住宅の総費用の中で最も大きな割合を占めるのが建物本体工事費です。建物本体工事費は全体の70〜80%に及ぶことが多く、坪単価では全国平均で50万〜100万円程度が一般的な相場とされています。

ハウスメーカーと工務店では費用に差が見られ、ハウスメーカーの注文住宅は坪単価60万〜90万円、工務店では50万〜70万円程度が目安とされています。ただし、これらは標準仕様で建築した場合の概算であり、設備のグレードアップや特殊な工法を採用することで費用が上昇する点には注意が必要です。

付帯工事費

建物本体以外に必要となる費用が付帯工事費で、外構工事、地盤改良工事、給排水工事、電気工事などが含まれます。付帯工事費は建物本体費用の20〜30%程度を見込むケースが一般的です。外構工事には門扉、駐車場、庭の整備が含まれており、100万〜300万円が相場とされています。

地盤改良工事は地盤調査の結果によって必要性や内容が異なり、50万〜150万円ほどが目安です。また、建築確認申請や登記関連費用などの各種申請費用には30万〜80万円程度が必要になります。こうした費用は建物本体工事費とは別に発生するため、見落とされやすい項目として注意しておくことが大切です。

諸費用

さらに、諸費用も資金計画において欠かせない要素です。諸費用には、建築確認申請費用や登記費用などの行政手続きに関わる費用のほか、住宅ローンを利用する際の手数料・保証料、火災保険料などが含まれます。これらの項目は見積書に明確に記載されない場合もあるため、契約前に詳細を確認しておくことが望ましいです。

土地代

加えて、土地探しから注文住宅を建てる場合は土地代も総費用に含めて計画を立てる必要があります。土地代と建物代の比率は地域によって異なり、都市部では7:3〜6:4と土地代の割合が高い傾向が見られます。一方で、郊外では5:5〜4:6と比較的バランスの取れた比率が一般的です。総予算が決まっている場合には、土地と建物それぞれにどの程度の費用を配分するか慎重に検討し、無理のない計画を立てることが重要です

注文住宅づくりの流れ

注文住宅が完成するまでの一般的な流れは、大きく「土地探しと資金計画」「設計・プランニング」「建築確認申請と着工」の3つの段階に分けることができます。

土地探しと資金計画

まず、家づくりを土地探しから始める場合、施主は希望するエリアの土地相場を調査し、予算に合った土地を選定します。土地は住宅の設計に大きく影響するため、価格だけでなく、土地の法的条件や地盤の状態、周辺環境など、多面的な確認が求められます。特に用途地域や建ぺい率といった法的制限は、建てられる建物の規模や用途に直結するため、早い段階で把握しておくことが大切です。

また、上下水道や電気、ガスといったインフラ整備状況、交通アクセス、生活利便性なども土地選びの大切な判断材料になります。さらに、地盤の強度によっては地盤改良工事が必要になる場合もあり、追加費用が発生する可能性も踏まえて検討する必要があります。

土地探しと並行して行われるのが資金計画の策定です。自己資金の状況や住宅ローンの借入可能額、無理のない月々の返済額などを具体的に試算し、全体の予算を明確にしておきましょう。資金計画は家づくり全体の方向性を左右するため、この段階で慎重に検討することが求められます。

設計・プランニング

土地が決定すると、次にハウスメーカーや工務店との設計・プランニングに移ります。この段階では、家族のライフスタイルや将来の暮らし方を踏まえながら、間取りや設備仕様、収納計画などの細かな部分を具体的に決めていきます。

建物の配置、各部屋の広さ、窓の位置、キッチンやバスルームなどの設備の選定まで、多岐にわたる項目を調整していくのが特徴です。設計段階であれば変更も比較的行いやすいものの、建築確認申請後の変更は手続きが複雑になり、工期や費用に影響する可能性があるため、初期段階でしっかり検討することが大切といえます。

建築確認申請と着工

設計が固まると、建築確認申請へと進みます。これは計画された住宅が建築基準法などの法令に適合しているかを第三者機関が確認するためのものです。申請には、通常2〜4週間ほどの期間を要します。建築確認済証が交付されることで、ようやく工事を開始できる状態になります。

着工前には地鎮祭を行い、工事の安全を祈願するケースが一般的です。その後、基礎工事から始まり、建物の骨組みが組み上がる上棟へと進み、外装工事、内装工事と順を追って進行します。工事期間中には施主が現場を定期的に確認し、設計通りに工事が行われているか、仕上がりに問題がないかをチェックすることも重要です。

注文住宅のメリット・デメリット

注文住宅には、多くの魅力がある一方で、注意すべき点も存在します。

メリット

まず、注文住宅の大きなメリットとして挙げられるのが、設計の自由度の高さです。建売住宅とは異なり、施主のライフスタイルや家族構成、将来の暮らしの変化まで見据えた柔軟な設計が可能です。たとえば、子ども部屋を可変式にしたり、広いパントリーやワークスペースを確保するなど、施主のこだわりを反映した間取りを実現できます。

また、設備選択の自由度も大きく、キッチンや浴室、空調設備などを好みのグレードやデザインから選べるため、理想の住まいを細部までつくり上げることができます。性能面でも、注文住宅の強みが発揮されやすいです。耐震性や断熱性といった住宅性能は、採用する工法や素材によって大きく変わりますが、注文住宅では高性能な材料や最新技術を選択することで、住み心地の向上と長期的な安心感を両立できます。

さらに、建築の過程を施主自身が確認できることも大きなメリットです。基礎工事や構造部分など、完成後には見えなくなる工程を自分の目で確かめられるため、施工品質への信頼性が高まります。こうした透明性は手抜き工事の防止にもつながり、より高品質な住宅づくりが期待できます。

デメリット

一方で、注文住宅には注意すべきデメリットも存在します。まず挙げられるのが、建売住宅と比較して費用が高くなる傾向です。完全オリジナルの設計を行うため、設計費用がかかるほか、特注設備やこだわりの仕様を取り入れるほどコストが上昇します。結果として、総額は建売住宅より高くなるケースが一般的です。

また、完成までの期間が長いことも負担につながる場合があります。一般的には設計から完成まで10〜16ヶ月ほどかかり、その間に現在住んでいる家の家賃と新居の住宅ローンが重複してしまう可能性も出てきます。建売住宅との比較では、設計自由度は注文住宅が圧倒的に優れていますが、価格面や工期面では建売住宅が有利です。

建売住宅は完成済みの物件をすぐに購入できるため、引き渡しまで1〜3ヶ月ほどと短期間で新生活を始められます。しかし、建築過程を確認できず、間取りや仕様も決まっているため自由度はありません。このように、注文住宅と建売住宅には明確な違いがあり、どちらが適しているかは施主の優先事項によって変わります。

まとめ

注文住宅は、暮らし方やこだわりを自由に反映できるため、理想の住まいを実現したい人にとって大きな魅力があります。フルオーダーから規格住宅まで幅広い選択肢があり、予算や自由度に合わせて最適なスタイルを選べる点が特徴です。また、設計・仕様を細部まで決められるため、家族構成や将来のライフスタイルに合わせた唯一無二の住まいづくりが可能です。一方で、建売住宅に比べて費用が高くなりやすいことや、完成までに時間を要する点など、注意が必要な側面もあります。本記事では、注文住宅の種類や建売住宅との違い、費用構造、建築の流れ、メリット・デメリットまで網羅的に解説しました。これから家づくりを検討する人が、理想と現実のバランスを理解し、自分に最適な住まいの形を見つけるきっかけになるでしょう。

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